
二重円形切子碗 イラン出土 ササン朝・6世紀 個人蔵
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近年、東京国立博物館では、350件余りからなる古代ガラス・コレクションの寄託を受け、整理研究を続けています。それらは地中海東部から中央アジアに至る広い地域で出土した作品群です。その中から、昨年度は各種の容器類をご覧いただきましたが、今回はペルシアを中心とする「切子(きりこ)ガラス」の容器をテーマに展示いたします。
切子とは器物の表面を、グラインダー(回転ヤスリ)で削って装飾する技法で、「薩摩切子」や「江戸切子」のように、日本の伝統工芸にも見られます。この技法は、紀元前5〜紀元前4世紀にはアケメネス朝ペルシアでも用いられましたが、3〜6世紀のササン朝時代には大発展をとげ、切子ガラスは国際的ヒット商品となりました。また、切子の技法はヘレニズム時代以降の地中海地方でも広く見られ、イスラム時代にも継承されました。
わが国に伝わったペルシアの切子ガラス器もあります。東大寺正倉院の白瑠璃碗(はくるりわん)(5〜6世紀制作)が有名ですが、平成館考古展示室にある、伝・安閑天皇陵(6世紀)出土の円形切子碗も、シルクロードを経てはるばる運ばれた古代の輝く宝器の好例です。(※平成館考古展示室は、2008年11月17日(月)から2009年1月1日(木)まで閉室いたします。)
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