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本館リニューアル記念 特別公開

本館リニューアル記念 特別公開   本館 2011年1月2日(日)~1月16日(日)
  ―― これは特別展か? ――

本館のリニューアルを記念して、東博(トーハク)の所蔵作品のなかから選りすぐりの名品を期間限定で公開します。「特別展」なみのラインナップを、どうかお見逃しなく!

 

 

四角 本館2室 国宝室
秋冬山水図
国宝 秋冬山水図 秋(右) (左)
雪舟等楊筆 室町時代・15世紀末~16世紀初
※展示期間 2011年1月2日(日)~2011年2月6日(日)
雪舟の真髄ここにあり 秋冬山水図

 本図を下から上へと見てゆくと、近いものから遠いものへ、モチーフを順にたどってゆくことができ、小画面にもかかわらず、岩山が幾重にも重なる、広大な奥深い空間を作者は表わそうとしていることがわかります。
室町時代の水墨画を代表する画家、雪舟(1420~1506?)の山水画は、空間構成のスケールが大きく、以前の山水画には見られない堅固で理知的な構築性を強く感じさせます。

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四角 本館3室 「宮廷の美術」
贅沢な料紙と散らし書きの美 古今和歌集(元永本)

 『古今和歌集』の仮名序から巻第二十まで、すべてが揃っている現存最古の遺品です。美麗な文様を雲母(きら)あるいは空摺(からず)りし、その裏面には金銀箔を撒(ま)いた紫、黄、赤、茶、緑、白などの和製唐紙(からかみ)を用いています。さらにこれらの色の配合を考えて組み合わせた豪華な綴葉装(てつようそう)の冊子本で、もとの体裁をほぼ伝えています。
散らし書きに技巧を尽くした筆者は、「巻子本古今和歌集」など、一群の名筆を残しており、藤原行成の曾孫定実とする説が有力です。

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  古今和歌集(元永本)
国宝 古今和歌集(元永本)
平安時代・12世紀 三井高大氏寄贈

 

四角 本館4室 「茶の美術」
熊野懷紙
重要文化財 熊野懷紙
飛鳥井雅経筆 平安時代・正治2年(1200)
※展示期間 2010年12月14日(火)~2011年1月23日(日)
  上皇の熊野詣でに思いをはせて 熊野懷紙

 後鳥羽上皇(1180~1239)は、しばしば熊野三山に参詣し、建久9年(1198)からの24年間で27回以上に及びました。その道すがら、供奉(ぐぶ)の近臣たちとともに歌会を開催しました。この時に各自が詠んだ歌を書いて提出した和歌懐紙を熊野懐紙と称しています。
この懐紙は、正治2年(1200)、飛鳥井雅経(1170~1221)が31歳の筆と推定されます。雅経は蹴鞠(けまり)で知られる飛鳥井家の祖であり、『新古今和歌集』の撰者にも加わった歌人としても知られます。「行路氷」、「暮炭竈」の2題を詠んだ和歌を記しています。

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四角 本館7室 「屏風と襖絵」
豪放にして濃密 桃山絵画の傑作 檜図屏風

 この屏風は、天正18年(1590)に落成した八条宮(後の桂宮家)邸を飾った襖絵であったとされています。桃山絵画における代表的画人の狩野永徳(1543~1590)の最晩年作と考えられます。
金箔地の大地と雲を背にした檜の大樹は、幹をうねらせ、大枝を振りかざし、枝先はまるで爪を立てるかのよう。この豪放な形態と濃密な色彩は、檜の力強い生命力となって、当時の美意識を余すところなく体現しています。

檜図屏風  展示作品一覧へ
国宝 檜図屏風
狩野永徳筆 安土桃山時代・16世紀

 

四角 本館8室 「書画の展開」
琳派が生んだダイナミックな画面 風神雷神図屏風

 天空を疾走する風神と、雷鳴を轟(とどろ)かせる雷神。二神は仏教では風雨を司り、仏法を守る役割をもっています。左右の2つの画面に配置された二神の視線は互いに交錯し、濃墨であらわされた雨雲からは、今にも雷が鳴り、強風が吹き荒れるかのようです。
2つのモチーフが対照的に配置される理知的な画面構成は、晩年の代表作「紅白梅図屏風」(MOA美術館)に結実されますが、この作品においても光琳絵画の造形的特質が鮮明にあらわれています。

風神雷神図屏風  展示作品一覧へ
重要文化財 風神雷神図屏風
尾形光琳筆 江戸時代・18世紀

 

四角 本館10室 「浮世絵と衣装」
千変万化!北斎の富士 冨嶽三十六景

 「冨嶽三十六景」は、葛飾北斎の代表作というばかりでなく、日本の風景画を代表するものとして世界に知られ、海外の美術館でもその館を代表する収蔵品にあげられています。
北斎は、シリーズ46枚に富士山の表情をさまざまに描き分けました。今回はそのうちの約半分22枚を見ることが出来ます。夏のイメージの強い「冨嶽三十六景」ですが、「礫川雪ノ旦」のように冬の姿もあります。新年の訪れにちなみ、富士山の描き分けに注目してご覧ください。

冨嶽三十六景 冨嶽三十六景
冨嶽三十六景
冨嶽三十六景
礫川雪ノ旦(左上) 東都浅草本願寺(右上) 神奈川沖浪裏(左下)
葛飾北斎筆 江戸時代・19世紀
  展示作品一覧へ (2011年1月12日(水)~2011年2月13日(日))

関連事業

ハンズオン体験コーナー「北斎の冨士を作ろう!」
日時:2011年1月5日(水)~2011年1月16日(日) 11:00~16:00
場所:本館20室(教育普及スペース みどりのライオン ハンズオン体験コーナー)
※2011年1月10日(月・祝)は開館日ですが、「北斎の冨士を作ろう!」はお休みします。

 

新春企画 博物館に初もうで

2011年1月2日(日)~1月30日(日)

"にっぽんのお正月は東博(トーハク)にある"
2011年もお正月は2日から開館します。毎年恒例の干支にちなんだ新春特別展示や、お正月の風物を盛り込んだ作品をお楽しみください。

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  染付兎水葵図大皿
染付双兎図大皿(そめつけそうとずおおざら)
伊万里 江戸時代・19世紀 平野耕輔氏寄贈

 

本館リニューアル記念 [トーハク?]キャンペーン

本館リニューアルを機に、[トーハク?]キャンペーンを実施中。  詳細ページへ

 

1月から開催の特別展

文化財保護法制定60周年記念 特別展「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」
平成館  2011年1月18日(火)~3月6日(日)
※特別展「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」は別途観覧料が必要です

 この展覧会は、平山郁夫氏の文化財保護に関わる偉大な活動を顕彰し、その業績をとおして文化財保護の重要性や課題などを改めて広く知っていただこうとするものです。インド・パキスタンをはじめ、アフガニスタン、中国、カンボジアなど、平山氏がことに関心を寄せた仏教伝来の道に沿った仏像や壁画の数々とともに、文化財保護活動の集大成として制作し、薬師寺玄奘三蔵院(やくしじげんじょうさんぞういん)に奉納された畢生の大作・大唐西域壁画を全点展示いたします。