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蓋に大きな削面をもったすらりとした長方形の箱で,蓋中央に「大方廣佛華厳経」の七字が螺鈿であらわされていることで,この箱が経を納める箱として作られたことがわかる。高麗時代は螺鈿の手法がたいへん盛んであったことが文献や遺品からも察せられるが,この経箱はこの時代の螺鈿の典型的な作風を如実に示したものとして名高い作品である。